考古学フォーラム情報BOX397
◆ 展示会・講演会・研究会========
● 三河考古学談話会東三河部会11月例会
日 時:11月10日(木) 午後7時30分から
場 所:豊川市発掘調査現場事務所
内 容:
「遺伝子情報を読み取る為の基礎知識」高橋(岩本)佳子
「吉田城址における土師器皿と瓦の変遷」村上昇(豊橋市美術博物館)
吉田城址で出土した近世土師器皿と瓦の変遷を検討します。
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● 第10回考古学セミナー「ディベートの目的とその方法」
日 時:2011年11月27日(日)午後2時から
場 所:豊橋市職員会館301会議室
テキスト
1)ジーナ・L・バーンズ(訳:下垣仁志)「古墳時代前期における統治支配権仮説(上)」『古代学研究』190 2011年 古代学研究会
2)ジーナ・L・バーンズ(訳:下垣仁志)「古墳時代前期における統治支配権仮説(下)」『古代学研究』191 2011年 古代学研究会
・森浩一、白石太一郎、溝口孝司、下垣仁志によるコメント→ ジーナ・L・バーンズによる回答
・溝口孝司による再コメント→ ジーナ・L・バーンズによる溝口孝司に対する再回答
申し込み:定員20名 事前申し込み先着順(贄までご連絡ください)なお、テキストが手に入らない場合は連絡してください。コピーを送ります。
募 集:1)2)の文献について発表者を募集します。希望者は贄までご連絡下さい。
懇 親 会 午後6時から
開催趣旨:前回の第9回セミナーは、「認知考古学は“革命”か?」と題して、松本直子さんの認知考古学に関する著作を対象にしました。その評価は「ある程度有効ではあるが、書く意義のない論文」というものでした。認知考古学は、説明する必要のない前提条件を、「スキーマ」「カテゴリー」という新たな用語を使って説明しているもので、同じ説明を繰り返す同語反復(tautology)であり、錯誤によるレトリックに陥っていると思います。
つまり、既存の論証方法に新たな用語を挿入して文章を飾っており、心地いい響きを持っているため、なんとなく有効であると感じてしまったり、なんとなく新たな視点が得られたと感じてしまう魅力ある文体ですが、実体は、その新たな用語をすべて削除してもまったく文意が変わらないという構造を持っており、本来、説明する必要の無いことだということです。
第10回は、「ディベートの目的とその方法」と題して、古墳時代の政治構造に関する議論を題材にします。バーンズさんの論文に対して、4名の研究者がコメントを寄せています。それぞれの研究者間に見解や方法の違いはあるのか? あるいは議論する目的は何か? そして意義のある議論とは何なのかを検討します。
ディベートは、研究者が「学問的命題」を解決するために行う共同作業で、そこに
は一定のルールとマナーがあります。論文を「個人的業績」と考え、多くの業績を得ようとする人たちは、ディベートすることを避け、お互いを賞賛し合い業績の創り合いをしようとします。つまり、ディベートしても自らの業績に傷が付くだけで何の得にもならないからです。ディベートして共同で学問的命題の解決に寄与しようとする研究者に前向きに対峙しようとせず、逃げ出すことで自らの保身を図るということになります。
今回のテキストは、「古墳時代の政治構造」という一つのテーマに対して、研究者間でディベートを行っている実例です。この分析から、何が得られるのか? それは、参加者それぞれのレベルに直結し、さまざまだと思います。しかし、気づかされる何かが一つでもあれば、それは、以前の自分より進歩したということです。
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