考古学フォーラム情報BOX156
∬∬∬∬∬∬∬ 2006. 3. 18 ∬∬∬∬∬∬∬
★ 発掘調査========
● 豊田市:挙母城(桜城)発掘調査現地説明会
場 所:豊田市元城町1丁目 豊田信用金庫本店敷地内
日 時:平成18年3月21日(火)
10:30〜12:00 14:00〜15:30 少雨決行
問い合わせ:豊田市郷土資料館 0565−32−6561
注 意:市街地のため駐車場は用意しておりません。車で来られる方は周辺にある有料駐車場をご利用ください。
名鉄豊田線・三河線の豊田市駅や愛置環状鉄道の新豊田駅からは徒歩で5〜6分のところですので,できるだけ公共交通機関をご利用ください。
主な成果:
石垣の残存状態は試掘調査等からの推定ではあまりよくないと考えていましたが,調査の結果,3〜4段(高さ約1.1m)で2箇所において延長30mと10mがみつかり,予想以上に良好な残存状態でした。
絵図や古文書などの資料から桜城がどの程度完成していたのかが推定されてきましたが,今回の調査では城跡公園の隅櫓の石垣から西へ拡がる二の丸の配置がほぼ明らかになったとともに,堀の中から出土した塀の部材や土壁の堆積物から,設計図にある築地塀が築かれていた痕跡を追うことができました。また,地下に埋没して石垣の残存状況が不明で,どの位置にどれだけ残っているのかわかりませんでしたが,今回の残存状況と配置から,二の丸の石垣が周囲の道路や建物の下にもまだ埋没していることがおよそ推定できるようになりました。
北部に残した東西方向の堀の堆積層の断面からは,堀の規模や断面形状を読み取ることができるほか,桜城存続中の土の堆積・廃城時の堆積・廃城以後の堆積と順を追っての土の堆積を読み取ることができます。堀には杭を打ち込んで板をとめた堀の護岸がみられます。護岸は石垣近くとやや離れたところの2列があり,この間が深く掘られています。この部分は内藤氏時代にあらたに掘られたものではないかと推定しています。
石垣の石材は硬い花崗岩で,加工するために各所に鑿の痕跡をみることができます。石垣は2〜3段分(高さ約1.1m)が残存しています。最下段の石の下には胴木と呼ばれる材木が敷かれているのを見ることができます。
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